仮想通貨にインサイダー取引はある?基礎からわかりやすく紹介!

仮想通貨ではインサイダー取引があるのでしょうか。

株式投資などの証券取引ではインサイダー取引の摘発がよくニュースになっていますが、仮想通貨でもインサイダー取引の問題が起こる可能性があるのか気になりますよね。

この記事ではインサイダー取引の概要を説明した上で、仮想通貨が規制対象となるのかどうかを解説します。

インサイダー取引とは?

インサイダー取引とは株式などの証券の関係者が、一般に公開されていない内部の情報を使って証券取引をしたり、情報をリークして他の人に取引させたりする行為です。

インサイダーとは英語のinsiderに由来していて、直訳すれば「内部の人」です。組織の内部にいる人だから知っている事実を使って取引をすることをインサイダー取引と言います。

インサイダー取引は禁止されている行為

インサイダー取引は金融商品取引法で禁止されている行為です。

インサイダーは一般の人が知らない情報を使って有利な取引をすることができます。インサイダー取引は公正な市場取引の妨げになるので禁止されています。

例えば、革新的な製品の開発に成功したというプレスリリースが出たら株価が上がるでしょう。プレスリリースの直前に株式を大量に購入しておけば大儲けになります。プレスリリースのタイミングは一般の人は知らないので、インサイダーだけが有利です。

このような不公平な取引を防止するため、インサイダー取引は禁止行為になっています。

インサイダー取引による罰則

インサイダー取引をすると金融商品取引法違反になり、最大5年の懲役、最大500万円の罰金が科せされます。

会社員の一人が勝手にやったことだとしても、会社に対して最大5億円の罰金が科せられます。インサイダー取引によって手に入れた資産はすべて没収され、取引内容によっては追徴もおこなわれるというのがインサイダー取引の罰則です。

仮想通貨でインサイダー取引があり得るのか

仮想通貨ではインサイダー取引ができるのでしょうか。

仮想通貨は特定の国や企業が発行している資産ではないので、そもそもインサイダーがいないのではないかと思うかもしれません。

それでも仮想通貨でインサイダー取引が起こり得るのでしょうか。

通常はインサイダー取引ができない

まず、仮想通貨でもインサイダーになる人はいます。仮想通貨は自然発生したものではなく、プロジェクトとして開発したチームが存在しているからです。

プロジェクトチームでは目標を掲げて開発を続けています。仮想通貨プロジェクトのメンバーはインサイダーと見なせるでしょう。

ただ、仮想通貨の相場を動かすアップデートをする場合にはコミュニティの合意が必要です。そのため、プロジェクトメンバーが価格操作をしてインサイダー取引をすることは実質的には不可能です。

ICOではインサイダー取引が起こり得る

仮想通貨でインサイダー取引が起こり得るのがICOです。

仮想通貨が上場するときには通常は価格が大幅に上がります。上場が確定しているとわかったら買っておけば必ず利益になると考えられるでしょう。

ICOの場合にはインサイダーはプロジェクトメンバーだけではありません。上場の手続きを取り扱う取引所の関係者もインサイダーになります。取引所の関係者が上場決定している仮想通貨を買ったらインサイダー取引です。

ICOについてはインサイダー取引が起こり得るので関係者は注意しましょう。

仮想通貨でインサイダー取引の規制を受けるのか

仮想通貨でインサイダー取引をしたら法的に罰せられるのでしょうか。

仮想通貨は流通があまりにも早く進んだため、規制のための法整備が間に合っていない部分があります。インサイダー取引についての事情を確認しておきましょう。

現状ではインサイダー取引として規制が難しい

仮想通貨は現状の金融商取引法では取り締まりの対象外と解釈されています。

金融商取引法でインサイダー取引を取り締まっているのは主に有価証券です。仮想通貨は通貨ではなく、仮想通貨取引は有価証券取引に相当しないという政府の見解があります。

そのため、仮想通貨でインサイダー取引をしたとしても違法にはならないと解釈可能です。

ICOは投資と見なされると規制される

ICOについてはインサイダー取引になる可能性があります。

法定通貨で購入するのと同等と見なされる投資の場合には、仮想通貨の取引でも金融商取引法の対象になり得るので注意が必要です。

2022年にはアメリカでコインベースへの上場における情報のリークについてインサイダー取引として、コインベースの元従業員が起訴されています。

世界的には仮想通貨のインサイダー取引に対して厳しい目があるので、今後も法制が変わっていく可能性があります。

まとめ

仮想通貨でもインサイダー取引は起こり得ます。

ICOのときに価格が上がるのを狙って、取引所の従業員がインサイダー取引をすることは現実的には可能です。日本では法制上、インサイダー取引として取り締まりを受けないのが原則です。

しかし、今後の仮想通貨の規制強化によって状況が変わる可能性があるので注意しましょう。

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